Jones Act

ジョーンズ・アクト(Jones Act)とは

海事関係者なら「ジョーンズ・アクト」(Jones Act)という言葉を耳にしたことがあると思います。Jones Actは米国の造船、海運関係者ならば誰でも知っていますが、一般人にとっては分かりにくい制度です。2010年にメキシコ湾でBPの原油流出事故が発生した際に「ジョーンズ・アクトのおかげで外国から石油回収船の提供を受けることができない」というような報道がありました。原油価格が高騰した際に、米国政府が戦略的備蓄原油から放出された石油の輸送に「ジョーンズ・アクトの適用を免除した」ことを非難する議論があがったこともありました。その際の米国内の報道を聞いていると、ジョーンズ・アクトがいかに一般に理解されていないか、いかに政治的パフォーマンスに利用されているかが伺えました。

簡単に言えばジョーンズ・アクトとは米国内の地点間の物品の輸送を行う船舶は米国船籍で、1)米国人配乗、2)米国人所有、3)米国建造でなければならない、という法律です。

Jones Actは時に海事法(US Admiralty Law: Death on the High Seas Act 1920)を指すことがあるので、英文資料を読む際にはご留意下さい。

国内輸送(内航)を自国籍船に留保するカボタージュ(Cabotage)制度は国際慣行として日本を含む多くの国で実施されています。日本では沿岸輸送について、船舶法第3条の規程に基づき、「法律若しくは条約に別段の定めがあるとき、外国籍船舶は海難若しくは捕獲を避けようとするとき又は国土交通大臣の特許を得たとき以外は、日本国内の港間における貨物又は旅客の沿岸輸送を行なうことが出来ない」とされています。

米国のジョーンズ・アクトで問題とされるのは他国のカボタージュ制度にはない「国内建造」要件です。

ジョーンズアクトとオフショア支援船

以下にジョーンズ・アクトとOSVの関係についてこれまで寄せられた質問に対して簡単な説明をさせていただきます。ジョーンズアクトはその施行が複雑であることから、実際のビジネスの場合、必ず専門の弁護士に相談することをおすすめします。

Jones ActとLNG輸出

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